妊娠してから、歯みがきのたびに歯ぐきから血が出るようになった。つわりで歯ブラシを口に入れるのもつらい──妊娠中のお口の変化に戸惑っている方は少なくありません。
8020推進財団によると、妊娠中は女性ホルモンが増え、その影響で歯ぐきに炎症が起こりやすくなります(妊娠関連歯肉炎)。母子健康手帳にも、むし歯や歯周病は妊娠中に悪くなりやすく、歯周病は早産等の原因となることがあるので歯科医師に相談しましょう、と書かれています。
この記事では、財団や自治体、厚生労働省の資料をもとに、妊娠中に歯ぐきのトラブルが起こりやすい理由と、つわりの時期でもできるケア、歯科の受診についてまとめました。
妊娠中はホルモンの変化やつわりで、歯ぐきの炎症が起こりやすい時期です。つわりの間は、小さい歯ブラシを使う、気分のよいときにみがく、つらいときはうがいをする、といった無理のない方法で続けましょう。体調のよい時期に、妊娠中であることを伝えて歯科を受診してください。
妊娠中に歯ぐきのトラブルが起こりやすい理由

8020推進財団の解説では、歯周病菌の中には、妊娠中に増える女性ホルモンを栄養にして増え、歯ぐきの炎症を起こしやすくするものがあるとされています。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、歯周病が起こりやすい人の特徴の一つに「妊娠中」が挙げられています。
お口の環境が変わりやすい理由は、ホルモンだけではありません。財団と仙台市の資料では、次のような変化が紹介されています。
- つわりで歯ブラシを口に入れるのがつらくなったり、においや味に敏感になって歯みがき剤を使えなくなったりする
- つわりで吐くと、口の中が胃酸にさらされる
- 妊娠後期は大きくなった子宮が胃を圧迫し、1回の食事量が減って食事の回数が増える
- 体調によって食習慣が変わる
財団は、歯ぐきの炎症が重い歯周病に悪化すると、赤ちゃんの発育にも影響を及ぼすことがあると説明しています。仙台市も、重い歯周病は早産や低体重児出産のリスクを高めることが報告されているとしています。
こんな変化があったら、歯科で相談を

8020推進財団は、妊娠中のセルフチェック項目として次のものを挙げ、変化があったら歯科を受診するよう勧めています。
- 口臭が気になる
- 口の中がネバネバする
- 歯をみがくと血が出る
- 歯ぐきが赤く腫れている
- フロスがひっかかる
- 甘いもの、冷たいものがしみる
- 治療した歯がたくさんある
つわりの時期でもできるケア

歯ぐきの炎症を防ぐ基本は、歯の汚れ(プラーク)を取ることです。8020推進財団も、そのためには毎日の歯みがきが基本としています。とはいえ、つわりの時期に普段どおりみがくのは大変です。仙台市は、つわりのときの口のケアとして次の方法を紹介しています。
- 子ども用など、小さい歯ブラシを使う
- 気分のよいときに、丁寧にみがく
- 歯みがきがつらいときは、刺激の少ないマウスウォッシュなどでうがいをする
みがき方については、仙台市は、毛の硬さが「ふつう」の小さめの歯ブラシを鉛筆持ちにして、軽い力で小さく横にみがく方法を勧めています。つわりの時期は、気分のよいときを選んで丁寧にみがきましょう。
仙台市の資料では、デンタルフロスや歯間ブラシは、歯ぐきに炎症があると使っているときに出血することがあるものの、一時的なもので、続けて使うことで治まってくるとされています。使い方は、かかりつけの歯科で教わるよう勧められています。
妊娠中の歯科受診について

仙台市は、妊娠中も出産後も、歯科医院で定期健診や歯石の除去、歯みがきのアドバイスを受けることがとても大切だとしています。また、妊婦向けの歯科健診は、体調のよいときに受けるよう勧めています。受診するときは、妊娠中であることを歯科に伝えてください。
なお、市区町村によっては、妊婦さん向けの歯科健診を行っているところがあります。内容や受け方は自治体によって違うため、お住まいの市区町村の案内で確かめてみてください。
大阪あわじ歯科では、歯ぐきの検査や歯石の除去、歯みがきの指導を行っています。内容は予防処置のページにまとめています。また、生まれてくる赤ちゃんの歯のことは小児歯科のページでご案内しています。
よくある質問
つわりで吐いたあとは、すぐに歯をみがいたほうがいいですか?
8020推進財団は、吐くと口の中が胃酸にさらされると説明しています。ただ、吐いたあとにすぐみがくのがよいか、時間をおくのがよいかを示した記述は、今回確認した資料には見当たりませんでした。まずは水で口をゆすぐなど、つらくない方法で口の中をさっぱりさせ、気になる方は歯科で相談してください。
赤ちゃんのために、今からできることはありますか?
8020推進財団は、むし歯の原因菌は粘膜ではなく歯に定着するため、赤ちゃんの歯が生えたらすぐに歯みがきを始めること、歯が生える前からお口を触られることに慣れさせておくことを勧めています。
まとめ
妊娠中は、ホルモンの変化やつわり、食事の変化で、歯ぐきの炎症が起こりやすくなります。重い歯周病は早産などのリスクとの関係も報告されているため、歯ぐきからの出血や腫れに気づいたら、早めに相談しましょう。
つわりの時期は、小さい歯ブラシで気分のよいときにみがき、つらいときはうがいをするなど、できる範囲で続けて、体調のよい時期に歯科でチェックを受けてください。
大阪・東淀川区(阪急淡路駅 徒歩3分)の歯科医院です
大阪あわじ歯科では、歯ぐきの検査や歯石の除去、歯みがきの指導を行っています。妊娠中で歯ぐきの状態が気になる方も、お気軽にご相談ください。
診療時間:月〜土 10:00〜13:30/14:30〜18:00(日・祝は休診)
ご予約はWEB予約・LINE・お電話(06-6322-5739)から受け付けています。
参考:8020推進財団「ナオミ通信『妊産婦と乳幼児の口腔保健』」/仙台市「妊娠期の歯周病予防」(2026年4月9日更新)/厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周疾患の自覚症状とセルフチェック」
