歯科で「親知らずがありますね」と言われた。今は痛みもないし、抜くのはこわい。でも、放っておいて大丈夫なのか気になる──そんな方に向けた記事です。
日本口腔外科学会は、斜めや横向きに生えて一部が歯ぐきに埋まった親知らずは、手前の歯との間を不潔にしやすく、通常は抜歯の対象になると説明しています。一方、北海道歯科医師会は、少なくとも半年に1回歯科で状態をチェックしてもらうことを条件に、抜歯を先延ばしにすることもできるとしています。
この記事では、学会と歯科医師会の資料をもとに、親知らずでトラブルが起こりやすい理由、抜くことが多いケース、すぐに抜かない場合に気をつけたいことをまとめました。
親知らずを抜くかどうかは、生え方や手前の歯への影響によって変わります。斜めや横向きで一部が埋まっている、炎症をくり返している、といった場合は抜歯をすすめられることが多いとされています。すぐに抜かない場合は、少なくとも半年に1回は歯科でチェックを受けましょう。
親知らずでトラブルが起こりやすい理由

親知らずは、正式には「第三大臼歯」と呼ばれる、歯並びのいちばん奥に生える歯です。北海道歯科医師会によると、生え始めるのは二十歳前後です。
日本口腔外科学会は、親知らずは生える時期が極端に遅く、最も奥に生えてくるため、生え方の異常が起こりやすいと説明しています。生まれつきない人も多く、生えてこなくても異常とはいえません。下の親知らずは、生えても斜めになったり、横向きに半分埋まったままになったりすることがよく知られています。
北海道歯科医師会は、いちばん奥にあるため治療がしにくく、歯みがきでの汚れ落としも難しいため、むし歯になりやすく、歯ぐきも腫れやすくなるとしています。
手前の歯にも影響することがある

親知らずの問題は、親知らずそのものだけではありません。日本口腔外科学会は、斜めや横向きに半分埋まった親知らずは、手前の歯(第二大臼歯)の後ろの面を不潔にし、放置すると深いところにむし歯をつくると説明しています。
北海道歯科医師会も、親知らずがあることで第二大臼歯までむし歯や歯周病になりやすくなるとし、第二大臼歯を守るためにも、親知らずは早めに抜いておきたいという立場です。
また学会は、歯ぐきの中に埋まったままの親知らずについても、歯並びや噛み合わせの異常を引き起こす可能性があり、まれに袋状の病気(嚢胞)やできものが生じることもあるとしています。
親知らずのまわりが腫れる「智歯周囲炎」

日本口腔外科学会によると、親知らずが生えるときに、そのまわりに起こる炎症を「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」といい、20歳前後の若い人によく見られます。親知らずが生えきらず、歯ぐきが一部かぶさったままになりやすいため、不潔になって炎症を起こしやすいのです。
炎症がまわりの組織やあごの骨に広がると、顔が腫れたり、口が開きにくくなったりすることがあると説明されています。北海道歯科医師会も、放置した結果、発熱することもあるとしています。
親知らずのまわりが腫れて顔まで腫れてきた、口が開きにくい、熱が出たといったときは、早めに歯科を受診してください。
学会によると、智歯周囲炎の治療では、抗菌薬や痛み止め、うがい薬で炎症をおさえたあと、余分な歯ぐきを切り取ることなどがあり、生える位置に異常がある場合や、炎症をくり返している場合は親知らずを抜くとされています。
すぐに抜かない場合に気をつけたいこと

北海道歯科医師会は、抜歯をためらう気持ちや、抜歯後に症状が強く出る方がいることにも触れたうえで、条件次第で抜歯を先延ばしにすることも可能だとしています。その条件が、最低でも半年に1回は歯科を受診して、お口の状態をチェック・管理してもらうことです。
抜くか、様子を見るかは、親知らずの向きや埋まり方、手前の歯の状態によって変わります。レントゲンなどで状態を確かめてもらい、それぞれの場合の見通しを聞いたうえで決めるとよいでしょう。
大阪あわじ歯科には、歯科用CTやレントゲンなどの設備があります。親知らずが気になる方は、一般歯科の受診としてご相談ください。医院の設備は医院紹介のページでご案内しています。
よくある質問
親知らずが生えてこないのは、おかしいですか?
日本口腔外科学会は、親知らずは生まれつきない頻度も高く、生えてこなくても異常とはいえないとしています。ただし、歯ぐきやあごの骨の中に埋まったままのこともあるため、気になる方は歯科で確かめてもらいましょう。
まっすぐ生えている親知らずも、抜いたほうがいいですか?
北海道歯科医師会は、まれにきちんと生えている方もいるとしています。ただ、まっすぐ生えていても、いちばん奥で歯みがきがしにくいことに変わりはありません。抜くかどうかは、むし歯や歯ぐきの状態、噛み合わせなどを診てもらったうえで相談してください。
まとめ
親知らずは、いちばん奥に遅れて生えるため、むし歯や歯ぐきの腫れが起こりやすく、手前の歯に影響することもあります。斜めや横向きで一部が埋まっている場合や、炎症をくり返す場合は、抜歯をすすめられることが多いとされています。
今は痛みがなく、すぐに抜かないと決めた場合も、少なくとも半年に1回は歯科でチェックを受けてください。
大阪・東淀川区(阪急淡路駅 徒歩3分)の歯科医院です
大阪あわじ歯科では、親知らずやむし歯、歯ぐきの腫れのご相談をお受けしています。気になる歯がある方は、お気軽にご相談ください。
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参考:日本口腔外科学会 口腔外科相談室「口腔外科で扱う主な病気」(埋伏歯・智歯周囲炎)/北海道歯科医師会「できれば抜いておきたい『親知らず』」(全国健康保険協会 北海道支部 健康コラム、2024年12月)
