パソコン作業やスマホを見ているとき、ふと気づくと上下の歯がくっついている。奥歯をぐっと噛みしめていて、夕方になるとあごやこめかみがだるい──そんな方へ。
日本顎関節学会は、あごの痛みや口の開けにくさ(顎関節症)の生活上の注意として、「仕事中や休息時に上下の歯が接触していることに気付いたら歯を離す」ことを挙げています。
この記事では、学会の資料をもとに、日中の食いしばりで気をつけたいこと、自分でできる見直し、歯科に相談したいサインをまとめました。
上下の歯が触れていることに気づいたら、そのつど離す。硬いものや長時間噛むものを控え、頬杖や猫背を見直す。これが日本顎関節学会の挙げる生活上の工夫です。あごが痛む、口が開けにくい、音がするといった症状があれば、まずはかかりつけやお近くの歯科医院へ。
日中の「食いしばり」は気づきにくい

歯ぎしりや食いしばりというと、寝ている間のものを思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど日本顎関節学会は、生活上の注意として「仕事中や休息時」に上下の歯が触れていることにも気をつけるよう挙げています。起きている間の癖は、意識しないと気づきにくいものです。
日本顎関節学会は、顎関節症は日常生活での行動や癖が症状と関係している場合があり、自分で気をつけることで症状が軽くなる場合があると説明しています。その具体例の一つが、上下の歯が触れていることに気づいたら離すことです。
顎関節症とはどんな状態?

日本顎関節学会によると、顎関節症の代表的な症状は次の3つです。
- あごが痛む(顎関節や、あごを動かす筋肉の痛み)
- 口が開かない(開口障害)
- あごを動かすと音がする(顎関節雑音)
そのため、硬いものが噛めない、大きな食べ物が食べにくいといった困りごとが出ることがあります。学会は、顎関節症は命に関わるような恐ろしい病気ではなく、多くは適切な診察と、歯科医師による標準的な治療や自己管理(セルフケア)で快方に向かうことが知られているとしています。
日本口腔外科学会は、顎関節症の背景として、噛み合わせの異常や歯ぎしりによって顎関節が傷ついたり、あごを動かす筋肉の連携がうまくいかなくなったりすること、精神的なストレスからくるあご周りの緊張が関わることもあると説明しています。
今日からできる見直し

日本顎関節学会が生活指導として挙げているのは、次のようなことです。
- 上下の歯が触れていることに気づいたら離す(仕事中や休んでいるとき)
- あごや筋肉への負担を減らすため、硬い食べ物や長時間噛み続けることは避ける
- 頬杖をやめる、猫背などの姿勢をよくする
- 強い心理的な緊張を感じる環境があれば、それを改善し、避ける
「気づいたら離す」を続けるには、気づくきっかけを作ることがポイントです。たとえば、パソコンの画面の端やスマホの待ち受けに小さな印を付けておき、目に入るたびに歯が触れていないか確かめる、といった工夫が考えられます。
ストレッチやマッサージなどの運動療法・物理療法もありますが、日本顎関節学会は、いずれも医療者の指導を受けて行うよう勧めています。自己流で強く押したり、無理に口を大きく開けたりするのは控えましょう。
歯科では何をするの?

日本顎関節学会によると、顎関節症の診断では、問診、あごの動きや痛みの検査、レントゲン検査、必要に応じてMRI検査などを行い、似た症状の出るほかの病気ではないことを確かめます。
治療には、生活指導のほか、痛み止めなどの薬、マッサージやストレッチなどの理学療法、マウスピース(スプリント)による治療があります。学会は、最も一般的なマウスピースは歯並び全体を覆うもので、寝ている間の歯ぎしりや食いしばりのときの筋肉の緊張をやわらげ、顎関節への負担を減らすことが目的だと説明しています。
また学会は、基本的には公的医療保険の範囲内で治療を受けることができ、それで症状が改善する場合がほとんどとしています。治療を始める前に内容と費用をよく聞き、納得してから受けるよう勧めています。
大阪あわじ歯科では、歯ぎしり・食いしばりやあごの痛みのご相談もお受けしています。気になる症状があれば、まずは一般歯科の受診としてご相談ください。
よくある質問
すぐに噛み合わせを治したほうがいいですか?
日本顎関節学会は、噛み合わせの治療は発症後の早い時期には行わないとしています。早い時期は炎症などで噛み合わせが一時的に変わっていることがあり、その状態で調整すると、症状が落ち着いて元の位置に戻ったときに合わなくなるためです。
放っておいてもおさまりますか?治療はどれくらいかかりますか?
学会は、一時的なあごや筋肉の痛みであれば、自然におさまる場合がほとんどとしています。ただし、ほかの病気との見分けが必要なこともあるため、放っておかずに歯科医院を受診するよう勧めています。初期の治療で症状がなくなり機能が回復するまでの期間は、重症度によって異なり、おおよそ1〜3か月程度とされています。
まとめ
日中の食いしばりは、自分では気づきにくい癖です。上下の歯が触れていたら離す、硬いものや長時間噛むものを控える、頬杖や姿勢を見直す。まずはこの3つから始めてみてください。
あごの痛み、口の開けにくさ、あごの音が続くときは、口が開けにくくなる病気はほかにもあるため、自己判断せずに歯科で診てもらいましょう。
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大阪あわじ歯科では、歯ぎしり・食いしばりやあごの痛みのご相談もお受けしています。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
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参考:日本顎関節学会「顎関節症とは」「あごが痛い・口が開かない・音がするのはなぜ」「顎関節症の主な治療は」「その他の疑問に対して」/日本口腔外科学会「顎関節の疾患」
