タバコを吸ったあとの歯みがき|ヤニやにおいは落ちる?歯の裏が黒いときは

「タバコを吸ったあと、すぐに歯をみがいたほうがいい?」「最近、歯の裏が黒っぽくなってきた」──喫煙している方から、こうしたご質問をよくいただきます。

吸ったあとの歯みがきで、歯垢(プラーク)やお口の汚れは落とせます。ただ、タバコのヤニによる着色は歯ブラシだけでは落ちにくく、タバコそのもののにおいもすべて消えるわけではありません。歯ぐきへの影響は歯みがきでは防げません。

大阪あわじ歯科 院長の西出です。この記事では、厚生労働省や自治体、日本歯磨工業会の資料をもとに、タバコを吸ったあとの歯みがきで変わること・変わらないこと、歯の裏が黒いときの考え方を、歯科医師の立場からまとめました。

吸ったあとの歯みがきは、歯垢やお口の汚れを減らすのに役立ちます。ヤニの着色は歯磨き粉を使ったブラッシングで落としやすくなり、固まった歯石は歯科で取ります。歯ぐきへの影響を減らすには、歯みがきだけでなく禁煙がいちばんの近道です。

目次

タバコを吸うと、お口に何が残る?

タバコを吸うと、お口に何が残る?を表したイラスト(大阪あわじ歯科のトラ)

練馬区の資料では、タバコのタールによって歯の表面に黒い汚れ(ヤニ)が付くと説明されています。ヤニが残っていると歯の表面がざらざらし、細菌が付きやすくなるうえ、歯垢や歯石も付きやすくなるとされています。

同じ資料では、ニコチンによって歯ぐきにメラニン色素が沈着して黒ずむこと、喫煙者は唾液の量が減るために細菌が増えやすく、舌も汚れやすいので口臭につながることも挙げられています。

横浜市の資料でも、歯の裏側にヤニが付きやすくなること、タバコのにおいに歯周病や舌の汚れのにおいなどが混ざって口臭になることが説明されています。

吸ったあとに歯をみがくと、何が変わる?

吸ったあとに歯をみがくと、何が変わる?を表したイラスト(大阪あわじ歯科のトラ)

日本歯磨工業会によると、食べかすや歯垢は歯ブラシでのブラッシングで取り除けます。一方で、タバコのヤニやコーヒー・紅茶の成分が歯の表面のたんぱく質と結びついてできる着色(ステイン)は、歯ブラシだけでは十分に落とせないとされています。清掃剤などが入った歯磨き粉を使ってみがくと、効果的に落とせるとしています。

口臭についても、同じ会の説明では、一般的な口臭の多くはお口の汚れやむし歯・歯周病が原因で、歯みがきで汚れを取り除くことが予防に役立つとされています。ただしタバコそのもののにおいは、嗜好品による口臭として別に挙げられています。吸ったあとの歯みがきは、お口の汚れからくるにおいを減らす助けにはなりますが、タバコのにおいがすべて消えるわけではないと考えてください。

なお、「吸ってから何分後にみがくとよい」という時間の目安は、今回確認した資料には見当たりませんでした。

みがくときのポイント

日本歯磨工業会の説明をもとに、ポイントをまとめます。

  • 毛先を歯に当て、軽い力(約200g)で小刻みに動かす
  • 歯の表面だけでなく、溝や歯と歯ぐきの境目まで、鏡を見ながらみがく(ヤニが付きやすい歯の裏側も忘れずに)
  • 隅々まで丁寧にみがくと、最低3分くらいはかかる
  • 歯磨き粉は目的に合わせて選ぶ(歯に付いたヤニを落とす成分を配合した医薬部外品もある)

ヤニを落としたくて強くこすりたくなるかもしれませんが、同じ会は、歯のすり減りには歯磨き粉よりも、みがくときの力や歯ブラシのかたさの影響が大きいとしています。着色の落とし方と歯磨き粉の選び方は、歯の着色の原因と毎日の落とし方の記事で詳しくまとめています。

歯の裏が黒い・ざらざらするときは

歯の裏が黒い・ざらざらするときはを表したイラスト(大阪あわじ歯科のトラ)

前歯の裏側は鏡で見えにくく、ヤニが付きやすい場所です。表面がざらざらしていると歯垢や歯石も付きやすくなります。日本歯磨工業会は、一度できた歯石は歯磨き粉を使ったブラッシングでも取れないので、歯科医院で取ってもらうよう説明しています。

ただ、歯の黒っぽさがヤニなのか、歯石なのか、むし歯など別の原因なのかは、お口の中を見てみないと分かりません。気になるときは、自分で削ったりこすったりせず、歯科で一度見てもらってください。

当院では、歯石や汚れを取るスケーリングや、専用の機器を使った歯のクリーニング(PMTC)、歯ブラシの当て方の指導を行っています。内容は予防処置のページにまとめています。

歯みがきでは防げないこと:歯ぐきへの影響

歯みがきでは防げないこと:歯ぐきへの影響を表したイラスト(大阪あわじ歯科のトラ)

厚生労働省のe-ヘルスネットによると、タバコの有害物質は歯ぐきの血管を縮め、血の巡りを悪くします。その結果、歯周ポケットの中で歯周病の原因になる細菌が増えやすくなります。喫煙者は歯ぐきからの出血や腫れが現れにくいのも特徴とされています。

横浜市の資料では、タバコを吸う人は吸わない人に比べて2〜8倍歯周病にかかりやすいと説明され、歯みがきをしても歯周組織の内側から破壊が進むと書かれています。歯の表面をきれいにすることと、歯ぐきへの影響を減らすことは別の話なのです。

e-ヘルスネットでは、禁煙すると歯を支える組織の状態がよくなり、歯周病のリスクが下がって治療の効果も上がるとされています。健康保険を使った禁煙治療もあり、2020年からは加熱式たばこを使っている方も対象になりました。医療機関の禁煙外来などで相談できます。喫煙と歯周病の関係は、喫煙と歯周病の記事でも詳しくまとめています。

よくある質問

寝る前に吸ったら、もう一度みがいたほうがいい?

吸ったあとに何分おいてみがくか、といった目安は、今回確認した資料にはありませんでした。e-ヘルスネットでは、夜寝ている間は唾液の分泌が減ると説明されています。寝る前の歯みがきは、歯の裏側や歯と歯ぐきの境目まで、いつも以上に丁寧に行うことを私はおすすめしています。

禁煙したら、歯ぐきの黒ずみは消えますか?

横浜市の資料では、歯ぐきのメラニン色素の沈着は、禁煙しても消えるまでに数年かかるとされています。一方で、歯ぐきの血流は禁煙から数日〜数週間で正常に戻るとも説明されています。

まとめ

タバコを吸ったあとの歯みがきは、歯垢やお口の汚れを減らすのに役立ちます。ヤニの着色は歯磨き粉を使ったブラッシングで、固まった歯石は歯科で落とします。歯の裏が黒いときは、原因を確かめるために一度歯科へ。

そして、歯ぐきへの影響は歯みがきでは防げません。歯をきれいに保ちたい方ほど、禁煙と定期的な歯科のチェックを組み合わせることを、私はおすすめしています。

大阪・東淀川区(阪急淡路駅 徒歩3分)の歯科医院です

大阪あわじ歯科では、歯石の除去や歯のクリーニング、歯ぐきの検査、歯みがきの指導を行っています。タバコを吸っている方も、歯の着色や口臭が気になる方も、どうぞ気軽に私にご相談ください。

診療時間:月〜土 10:00〜13:30/14:30〜18:00(日・祝は休診)

ご予約はWEB予約・LINE・お電話(06-6322-5739)から受け付けています。

参考:日本歯磨工業会「歯みがきQ&A」/練馬区「たばこによる口への影響」/横浜市「お口の健康とタバコ」/厚生労働省 e-ヘルスネット「喫煙と歯周病の関係」「加熱式たばこの健康影響」「ライフステージ別にみたむし歯の特徴」

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