「歯のクリーニングのあと、すぐコーヒーを飲んでも大丈夫?」「お昼ごはんはいつから?」「歯石を取ったら歯がしみる」──歯科でクリーニングや歯石取りを受けた方から、よく出てくる疑問です。
大阪あわじ歯科 院長の西出です。先にお伝えすると、クリーニングのあと何時間あければコーヒーや食事をとってよいかを示した学会の資料は、今回確認した資料では見当たりませんでした。気をつけたいのは時間よりも、「麻酔を使ったか」「フッ素などを塗ったか」「しみるか」の3つです。
この記事では、日本歯周病学会などの資料をもとに、クリーニング後の飲食で気をつけたいことと、歯石を取ったあとによくある変化を、歯科医師の立場からまとめました。
クリーニング後のコーヒー・食事、まず確かめたい3つのこと

- 麻酔を使ったか:しびれが残っている間は、唇をかまないよう注意が必要です。飲食は、処置を受けた医院の案内に従いましょう。
- フッ素などの薬を塗ったか:塗った場合の飲食やうがいは、処置を受けた医院の案内に従いましょう。
- しみるか:歯石を取ったあとは、冷たいものなどがしみることがあります。しみるうちは、しみる温度のものを控えめにすると楽です。
いちばん早いのは、帰る前に「コーヒーや食事はいつからいいですか」と聞いておくことです。その日に行った処置に合わせて、私たち歯科医師がお答えします。
麻酔を使った日は、しびれが取れてから

歯ぐきの奥まで入り込んだ歯石を取るときは、麻酔を使うことがあります。日本歯周病学会の一般向けQ&Aでも、歯石を取るときの痛みが強い場合は、スプレー式や注射式の麻酔を使う方法があると説明されています。
麻酔のしびれについて、日本小児歯科学会は子どもの治療の説明として、2時間ぐらいしびれが取れないことがあるので、唇をかんだりさわったりしないよう注意してほしいと案内しています。大人の場合も、しびれが残っている間の飲食は、処置を受けた医院の案内に従いましょう。
歯石を取ったあと、歯がしみるのはなぜ?

日本歯周病学会のQ&Aによると、歯石を取ると、それまで歯石に覆われていた歯の根が出てくることがあります。また、歯ぐきの腫れが引くことで、腫れに隠れていた根の部分が出てくることもあります。そのため冷たいものなどの刺激が伝わりやすくなり、歯石を取ったあとに歯がしみることは、しばしば見られるとされています。
同じQ&Aでは、通常は一時的な症状で、正しい歯磨きを続けていれば徐々に改善してくること(数か月かかる場合もあること)、症状がひどい場合は知覚過敏の薬を塗るなどの処置を行う場合もあることが説明されています。
しみるときのコーヒーの飲み方
- 熱々や氷たっぷりではなく、少し冷ましたもの・常温に近いものにする
- しみる歯の側で長く口に含まない
- しみるのがつらい、日に日に強くなる、何か月も続くときは、処置を受けた医院に相談する
クリーニング直後のコーヒーで、色はつきやすい?

「クリーニングの直後は着色しやすい」という説明を見かけることがあります。ただ、クリーニングの後に何時間あければ着色しにくいのかを示した学会の資料は、今回確認した資料では見当たりませんでした。
せっかくきれいにした歯を保ちたい方は、時間を気にするよりも、ふだんの習慣で工夫するほうが続けやすいと私は考えています。
- コーヒーを長い時間かけて少しずつ飲み続けない
- 飲んだあとに水を一口飲む
- 寝る前は時間をかけて丁寧に磨く
日本歯周病学会も、忙しくて毎食後すぐに磨けない場合は少し時間があいてもかまわないので食後に磨くこと、そして寝る前の1回だけでも時間をかけて丁寧に磨くことがとても大切だとしています。
なお、ホワイトニング(歯の漂白)の後のコーヒーは、クリーニングとは別の話です。こちらの記事でまとめています:ホワイトニング後のコーヒーはいつから?カフェオレ・お茶など飲み物の目安
歯ぐきから血が出た・ヒリヒリするときは
日本歯周病学会のQ&Aでは、歯石を取るとき、器具の先が炎症を起こして敏感になっている歯ぐきに触れるため、違和感や痛みを感じることがあると説明されています。また、お口の状態によっては処置のときに出血がみられたり、まれに処置のあとに歯ぐきが腫れたりすることもあります。
ヒリヒリするうちは、辛いものなど刺激の強いものを控えめにすると楽です。腫れや痛みが強い、何日も続くといったときは、処置を受けた医院に相談しましょう。
たばこを吸う方へ
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、たばこの成分で歯ぐきの血管が縮むため、喫煙者は歯ぐきの出血や腫れが現れにくいこと、歯周病の処置のあとの治りがよくないといわれていることが説明されています。クリーニングのあとにいつから吸ってよいかは、処置を受けた医院の案内に従ってください。やめたい・減らしたいと思ったときには、健康保険で禁煙治療を受けられることも知っておくとよいでしょう。
次のクリーニングはいつ?

日本歯周病学会のQ&Aでは、歯石を取りに行く間隔は、通常は1年に3〜4回がよいといわれていると紹介されています。ただ、歯石のつきやすさには個人差があるため、かかりつけの歯科医院で継続して見てもらい、自分に合った間隔を教えてもらうよう勧めています。
当院では、歯石の除去(SRP)や専用の機器を使ったクリーニング(PMTC)、お口に合わせた歯磨きの指導を行っています。内容は予防処置のページにまとめています。
よくある質問
クリーニングの直前に食事をしてもいい?
直前の食事の制限を示した学会の資料は、今回確認した資料では見当たりません。食べたあとは歯を磨いてから行くと、すっきりした気分で受けられます。
クリーニング当日の歯磨きはふだんどおりでいい?
特に案内がなければ、ふだんどおり磨きましょう。日本歯周病学会も、歯石を取ったあとにしみる症状は、正しい歯磨きを続けることで徐々に改善するとしています。しみる歯や歯ぐきがヒリヒリするところは、力を入れすぎないようにしましょう。
まとめ
クリーニング後のコーヒーや食事を「◯時間あければよい」と示した学会の資料は、今回確認した資料では見当たりませんでした。確かめたいのは「麻酔を使ったか」「薬を塗ったか」「しみるか」の3つ。当てはまるときは、処置を受けた医院の案内に従いましょう。
歯石を取ったあとにしみるのは、しばしば見られる一時的な症状とされています。つらいときや長引くときは、遠慮なく相談してください。
大阪・東淀川区(阪急淡路駅 徒歩3分)の歯科医院です
大阪あわじ歯科では、むし歯や歯周病のチェック、歯石の除去やクリーニング、歯磨きの指導を行っています。お口のことで気になることがあれば、どうぞ私にご相談ください。
診療時間:月〜土 10:00〜13:30/14:30〜18:00(日・祝は休診)
ご予約はWEB予約・LINE・お電話(06-6322-5739)から受け付けています。
参考:日本歯周病学会「歯周病Q&A(歯周病の治療/歯周病の予防)」/日本小児歯科学会「これからの小児歯科医療と保健~8020の実践のために~」/厚生労働省 e-ヘルスネット「喫煙と歯周病の関係」「加熱式たばこの健康影響」
